◯歳でこのファッションは痛い?

時々受ける質問の中に「◯歳でこの服は痛いですか?」というものがあります。
例えば「30代でショートパンツは痛いですか?」「40代でフリルは痛いですか?」とか「50代で大きな花柄は痛いですか?」とかそんな感じです。
答えから先に言いますと「人による。」です。

日本では「年相応」という考え方がとても強いですよね。
でも同じ年齢でも人によって似合うものは本当に様々。何歳だからこれはダメ、何歳だからこういう服がふさわしい、というのは一概に言えません。
もちろんティーンエイジャーの着るような服だとコスプレみたいになってしまう可能性は大ですが、ある程度の年齢以上になれば(20代後半くらいかな)、年齢差よりも個人差の方が似合う似合わないの決め手になってきます。

例えば私の亡くなった祖母は歳を取っても大きな派手めの花柄がよく似合っていました。ジュエリー類も大ぶりのものを好んでつけていましたが、とても似合っていました。
対して私の母は20代の頃から現在に至るまで小花柄のような素朴な雰囲気のものがよく似合います。試しに祖母が着るような大きな花柄を着ると、若くて溌剌としている時であってもまるでしっくりきませんでした。
子供心に二人の似合うものの違いをとても興味深いと思っていたことを覚えています。

それから夫のスタイリッシュな80代の叔母。(アメリカ人です。)
金髪のボブカットとビーチで焼けた肌にきれいなピンクやミントグリーンの服がとっても似合っています。
夏場は真っ白いバミューダショーツにオレンジのビーチサンダルで颯爽と登場したりするんですが、若作りしている感じは全くなく、彼女だとそれが自然に見えるんです。
年齢より個性、の良い例ですね。

似合う似合わないを決める要因としては体型、肌や髪の色や質感はもちろんですが、顔の雰囲気やさらには声や話し方、動作の雰囲気も関係してきます。
例えばですけど、一般的には小柄な人には大きな柄は似合わないとされていますが、いかにもエネルギーに溢れた強い個性の方だと不思議とよく似合ったりすることがあります。または逆に大柄さんでもおっとりしっとりしたタイプの方だと大きな柄物は「無理してる」感じになってしまったり。
いわゆる個人個人の”キャラ”的なものが似合う似合わないに大きく影響するということです。
私が巷に出回っているカラー診断や骨格診断などのタイプ別診断だけでは自分スタイルは作れないと思うのはそのためです。そういう診断系はあくまでもサポート的に使うのがいいと私は思います。

年齢に関しても同じ。
〇〇代になったらこういう服を着るべき、こういう服はやめとくべき、って一概には言えません。

私が常々感じるのは、年相応よりもその人その人の個性相応、キャラ相応、の方が重要だということです。
この年齢だからこのアイテムは痛い、この着こなしは痛い、というのは厳密にはなくて、そのかわり、あなたの個性にこれは合わない、というアイテムや着こなしがあるのです。

外見も中身も含めたあなたの丸ごとの個性に向き合ってみましょう。

最後に、、、そうは言ってもあなたはあなたなりに年齢を重ねていくというのも事実。
数年前のあなたと今のあなたでは似合うものが少しずつ違ってくるということは大いにあります。
それってその分また前とは違ったオシャレが楽しめるってことです。
歳を取って何かが似合わなくなってきたということは、逆に別の何かが似合うようになってきたということの裏返しでもあります。
今のあなたを楽しめるのは今だけですよ!